『ラケルがヨセフを産んで後、ヤコブはラバンに言った。「私を去らせ、私の故郷の地へかえらせてください。』(創世記30:25)
ヤコブは仕事でも成功し、愛する妻と子も与えられました。人の目には幸福な状況です。しかし、ヤコブの心には、妻と子と共に、父の元に帰りたいという思いが与えられます。
ヤコブは14年間の労働の中で苦しみました。ヤコブは成功しても自分の家を持たず、受けるべき祝福はラバンの所有です。しかし、これはずる賢いヤコブ自身が父や兄にした行いに似ています。ラバンの元でヤコブは性質を磨かれていきます。
金はただ美しいだけでなく、アレルギー反応が出にくい金属です。金属を鉱石から取り出します。金属を炎や薬剤で精錬し、不純物を取り除くことで純度が増します。純度の高い金は価値も高く、アレルギーを起こしにくいのです。
人もそうです。イエスさまを信じる者は、世から救い出され神のものとなりますが、罪の性質は残っています。しかし、信じた後、罪の中に留まるのを良しとしない葛藤が始まります。
なぜなら、水のバプテスマにより、イエスさまと共に古い自分が葬られます。さらに、主イエスを信じる者に与えられる聖霊さまが、新しい歩みに導かれます。金が精錬によって純化されるように、人も罪の性質を取り除かれる体験をするのです。
この精錬は祈りの中だけでなく、現実の生活で起こります。時に、なぜ私ばかりこんな目に…という苦しみさえ体験します。
しかし、この精錬は苦しみだけで終わりません。ヤコブはラバンの元で人間性を練られ、神の国の相続人としてふさわしい性質に整えられました。さらに、妻、子、奴隷や家畜と物質的な祝福をも得ます。「あなたの家に帰りなさい」と神が言われるその時に、父の家へと祝福と共に引き戻されるのです。
ヤコブはさらに6年ラバンの元に仕えます。苦難の中で、ヤコブの希望はベテルで神が彼に与えた約束です。アブラハム、イサクの祝福をヤコブに与え、どこにいても神は共におられ、ヤコブを守り、父の家に連れ戻してくださるという約束です。
私たちの希望はイエスさまです。道、真理、いのちである主はいつも共におられ、私たちを父なる神の元に導くお方です。
苦難ばかりが続き、神さまから離れているように感じる方はおられるでしょうか。神さまはあなたを見捨てておられません。その苦難という精錬を通してあなたの人格を整え、多くの祝福を与え、神の国の相続人にふさわしい姿に備えておられるのです。私たちの希望、イエス・キリストを待ち望みましょう。
『主に信頼して善を行え。地に住み、誠実を養え。主をおのれの喜びとせよ。主はあなたの心の願いをかなえてくださる。』(詩篇37:3−4)
(文責:朋子)
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